ディスプレイに並ぶチョコレートは見ているだけでもうっとりしてしまいますよね。
どんな味なのか、材料は何が使われているのかを知るのもチョコレートを選ぶときの目安になります。
「ガナッシュで…」「こちらはプラリネで…」と説明されても困ることがありませんか。
同じようなチョコレートでも、どのような違いがあるのか分からないと、どう選んでいいか悩んでしまいますよね。
ガナッシュとプラリネの違いは、材料と作り方です。
ガナッシュとプラリネの違いについて詳しく解説していきます。
そのほかに、トリュフやジャンドゥーヤ、ボンボンについても調べました。
違いを知れば、チョコレート選びも、もっと楽しくなるはず!
ガナッシュとプラリネの違いは2つ!
ガナッシュやプラリネといわれても、なかなかピンと来ないかもしれません。
その場で聞ければ良いですが、なかなかそうはいかない場面もありますよね…。
ガナッシュとプラリネの違いは材料と作り方です。
ガナッシュとプラリネの違いについて詳しく解説していきます。
ガナッシュとプラリネの材料
ガナッシュとプラリネの材料はいたってシンプル。それぞれ詳しくみていきましょう。
ガナッシュの材料 | プラリネの材料 |
---|---|
チョコレート・生クリーム | アーモンドなどのナッツ類・砂糖 |
ガナッシュにはチョコレートが使われますが、プラリネにチョコレートは使用しません。
そして、ガナッシュには生クリームを使うのに対し、プラリネはナッツ類を使っています。口当たりや味も全く違うものですね。
ガナッシュの作り方
材料が違えばガナッシュとプラリネを作る工程も変わってきます。
ここでは、簡単に作り方を紹介しますね。まずはガナッシュから。
ガナッシュの作り方
温めた生クリームを溶かしたチョコレートに加える
ひとことで言ってしまうと簡単ですよね。しかし、ガナッシュはチョコレートと生クリームの配合で硬さが変わります。
使いたい用途に合わせて配合を変えればアレンジが効くのもガナッシュの特徴です。
ガナッシュの配合 | 特徴 | おすすめの用途 |
チョコレート:生クリーム=1:1 | 基本の配合 | ・焼き菓子のコーティング ・チョコサンド |
チョコレート:生クリーム=2:1 | 硬めのガナッシュ | ・トリュフ |
チョコレート:生クリーム=1:2 | トロトロのガナッシュ | ・焼き菓子のコーティング ・冷やしてからホイップしてチョコレートホイップに |
ガナッシュは口どけの良いチョコレートに仕上がります。
後述するトリュフの中身(フィリング)にガナッシュを使うことがほとんどです。
ガナッシュをそのまま食べることはあまりありません。
日本では、ガナッシュを加工してそのままでも食べられるようにしたものを生チョコレートといいます。
日本の生チョコレートの定義
- 全重量の40%以上のチョコレート生地を使用したチョコレート加工品が基本
- そのなかでも、クリームが全重量の10%以上で、水分(クリーム含む)が全重量の10%以上となるもの
※公正取引委員会が日本独自の規格として決めているものです。
生チョコレートといえば「ロイズ」が有名ですね。
プラリネの作り方
プラリネの作り方もいたってシンプルです。
プラリネの作り方
- 砂糖を熱してカラメル状にしてローストしたアーモンドなどのナッツを混ぜ合わせる
- カラメルしたナッツをすりつぶしてペースト状にする
ひとことでプラリネといっても、実はいろいろと奥深いのです。
プラリネはフランスの場合、カラメルしたナッツをペースト状にし、チョコレートに混ぜたもの。
ベルギーでは、チョコの中に詰め物をしているもの全般をプラリネといいます。外はパリッとした口当たりのチョコレートで詰め物を包んでいます。
ベルギーチョコで有名な「ゴディバ」を思い浮かべてみると良いかもしれません。
そのほかに、ナッツにカラメルを混ぜただけのものをプラリネと呼ぶこともあります。
基本的には、カラメルしたアーモンドを使用していることになりますが、どこの国のチョコレートなのかで少し解釈が違ってくるのがプラリネです。
日本では、ベルギーチョコのようにパリッとしたチョコでコーティングされたものをプラリネと呼ぶことが多いです。
ガナッシュとプラリネの意味は?
ガナッシュとプラリネはどのように生まれて、どのような意味を持っているのでしょうか。
ガナッシュの意味は見習いシェフの間違いを先輩シェフが怒ったことから、プラリネの意味はフランス貴族の名前を取ったことからといわれています。
諸説ありますが、ここではよく知られている説に基づいて紹介していきますね。
ガナッシュの意味
ガナッシュという言葉にはフランス語で「顎(あご)」と「間抜け」という2つの意味があります。
当時、フランスでチョコレートを調理していた見習い料理人が、間違ってチョコレートにクリームを入れてしまいました。
それを見た先輩シェフが「ガナッシュ!(間抜け!)」と怒鳴ったそうです。
しかし、食べてみたところおいしかったため、チョコレートにクリームを入れて作ったものを「ガナッシュ」と呼ぶようになったといわれています。
間違ってしまった結果が、おいしいもので良かったですよね(笑)
プラリネの意味
外交官で軍人の「セザール・ド・ショワズール・デュ・プレシス=プラズラン」というフランスの貴族がいました。
この貴族の名前にちなんで「プラズラン(Prasline)」と名づけられたものが転じて「プラリネ(Praline)」になったのだとか。
プラリネは、当時プラズランの料理人をしていたクレマン・ラサーニュが17世紀に考案したものといわれています。
ガナッシュやプラリネを使うのがトリュフ!?
チョコレートにはさまざまな種類がありますが、なじみ深いのがトリュフではないでしょうか。
トリュフとは、中身(フィリング)にガナッシュが入ったチョコレートです。
高級食材で知られているトリュフに似るように作ったといわれています。
トリュフのように形をいびつにしたり、きれいな球状にしたりと形もさまざま。
プラリネとトリュフの違いは、プラリネはパリッとしたチョコレートでフィリングをコーティングするのに対し、トリュフはココアなどでコーティングします。
噛んだときの口あたりは、プラリネが固めでトリュフが柔らかめといえるでしょう。
ガナッシュやプラリネを使ったものがボンボン!?
ボンボンというとウイスキーボンボンを思い浮かべるかもしれません。
中からウイスキーがじゅわっと出てきておいしいですよね。
しかし、ボンボンはウイスキーなどのお酒が入ったチョコレートのことだけを指すわけではないのです。
ボンボンは、中にフィリングが入った一口サイズのチョコレートの総称をいいます。
なかでもトリュフはボンボンの代表格。ボンボンのうち、丸い形のチョコレートがトリュフになります。
ボンボンの形は丸形のほかにも四角やハート形などさまざま。
食べてみるまで中身が分からないのが特徴です。
ボンボンの中身(フィリング)として主に使われるものはこちらです。
ボンボンの中身(フィリング)に使われるもの
- ガナッシュ
- プラリネ
- マジパン
- キャラメル
マジパンとは、アーモンドをつぶして砂糖と混ぜペースト状にしたもの。
プラリネのナッツはローストしますが、マジパンはローストしないナッツを使います。
砂糖と生クリームを煮詰めて作られるキャラメルもフィリングとして使われます。
キャラメルに塩を加えたものが塩キャラメルです。
ガナッシュやプラリネとジャンドゥーヤの違いとは?
ガナッシュやプラリネとジャンドゥーヤの違いは、使用している材料と工程。
ジャンドゥーヤとは、ヘーゼルナッツをローストして細かく砕き、砂糖を加えてすりつぶしチョコを加えて練ったものです。
基本的にヘーゼルナッツを使いますが、ほかのナッツを使うジャンドゥーヤもあります。
ガナッシュはチョコレートに生クリームを加えたものです。
一方、ジャンドゥーヤはヘーゼルナッツをすりつぶしたものにチョコレートを練ったものになります。
プラリネとジャンドゥーヤの違いはチョコレートを使っているかいないかです。
少し混乱してしまいそうですよね(笑)それぞれの違いをまとめました。
ガナッシュ・プラリネ・ジャンドゥーヤの違い | ||
ガナッシュ | プラリネ | ジャンドゥーヤ |
チョコレートと生クリームを使ったもの |
・ローストしたアーモンドなどのナッツをカラメルし、すりつぶしてペースト状にしたもの |
ローストして細かく砕いたヘーゼルナッツに砂糖を加えてすりつぶし、チョコレートを加えて練ったもの |
ボンボンの中身(フィリング)として使われる | ・ボンボンのフィリングとして使われる | そのまま食べるほかに、フィリングとして使うこともある |
そのまま食べるように加工された生チョコレート | ― | ペースト状に加工した商品がある |
ジャンドゥーヤの食べ方は基本的にそのままですが、ボンボンの中身(フィリング)として使われることも。
また、ジャンドゥーヤはパンにぬったりコーヒーや牛乳に入れたりして楽しめるクリームタイプもあります。
ジャンドゥーヤで有名なのが「カファレル」です。
ガナッシュやプラリネのレシピ
プラリネとガナッシュの違いを知ると、「食べ比べてみたい!」「作ってみたい!」と興味がわいてきますよね。
プラリネやガナッシュのレシピを紹介します。材料も比較的シンプルです。
お菓子・パン作りの総合サイトcottaなら、トリュフやプラリネなど、お菓子作りに必要な材料が一度に揃えられて便利ですよ。ガナッシュのレシピ
生クリームが使いきれる分量で紹介します。トリュフにもできる少し硬めのガナッシュです。
ガナッシュに使う生クリームは30~35%が最適。
脂肪分が高くなると分離しやすくなるので避けましょう。
材料
- 製菓用チョコレート 200g
- 生クリーム(30~35%のもの) 100ml
- 湯せん用のお湯 適量
- 鍋
- バット
手順
- チョコレートを細かく刻む
- チョコレートを約50~60℃のお湯で湯せんする
- 生クリームを鍋に入れ沸騰させる
- 湯せんで溶かしたチョコレートに生クリームを少しずつ入れて混ぜる
※一気に入れてしまうと分離する可能性があるため - 生クリームを入れてなめらかになったらバットに流し入れる
- 粗熱が取れたら完成
ガナッシュは風味をつけることでアレンジができます。
おすすめのアレンジ
- リキュールを入れる(ラムなど)
- フルーツピューレを入れる(フランボワーズなど)
※どちらも入れる場合は生クリームを減らして調節する
ガナッシュを均等に丸めてココアをまぶせばトリュフになります。
プラリネのレシピ
プラリネを作り、チョコにするまでの工程を紹介します。まずは、キャラメリゼしたプラリネを作りましょう。
材料
- アーモンド 175g
- 砂糖 40g
- 水 40g
- 鍋
- フードプロセッサー
- クッキングシート
手順
- アーモンドを180℃のオーブンで5分から10分ローストする(フライパンでもOK)
- 砂糖と水を鍋に入れて中火にかける
- かき混ぜながら煮立たせる
- 煮立ったらローストしたアーモンドを入れてかき混ぜる
※白く結晶化しますが混ぜ続けると再度溶けてキャラメル色になってきます - キャラメル色になったら火を止めてクッキングシートをひいた天板の上に広げて冷ます
これで元となるプラリネの完成です。ここまでの工程でもおいしく食べられます。
個人的にですが、アーモンドとキャラメルのカリッとした食感が大好きなので、おやつの代わりにすることも。荒めに砕いて、ヨーグルトのトッピングにするのもお気に入りです。
粉末にすれば、アイスなどのトッピングにもなります。
「プラリネを、いちから作るのは大変そう……」と感じるなら、プラリネの状態で販売されているものもありますよ。
プラリネチョコのレシピ
上記の工程でプラリネを作ってペーストにしたものを使ってチョコレートを作るレシピです。
ペースト状のプラリネが作れない場合は、すでにペーストされた状態のものが販売されています。
これらを活用することで、プラリネチョコを簡単に作れますよ。
型を使う方法と使わない方法を紹介します。
材料
- ペーストにしたプラリネ 適量
- 製菓用チョコレート 適量
- クッキングシート
- 型
手順
- 冷ましたプラリネをフードプロセッサーにかけてペースト状にする
- チョコレートを約50~60℃で湯せんする
ミキサーにかけていくと、だんだんとアーモンドの油分が出てきてとろりとしたペースト状になります。
市販のペーストを使用する場合は湯せんから始めてくださいね。
プラリネが完成したら、チョコレートに成形していきます。
型がある場合と、ない場合の工程を紹介しますね。
型がない場合
- ペーストを1.5cm~2cm程の厚みに広げ好みの大きさにカットする
- 湯せんで溶かしたチョコレートにくぐらせクッキングシートの上で固める
- プラリネを使ったチョコレートの完成
プラリネをくぐらせるチョコレートは薄いとパリッとした食感になります。
カットしたプラリネを丸めたり、ハート型にしたりと好みの形にするのもいいですね。
つづいて、型を使う場合の方法です。
型を使う場合
- 湯せんで溶かしたチョコレートを型に流し入れ、余分なチョコレートを落とす
- 型に入れたチョコレートを固める
- 固まったらペースト状のプラリネを型に絞り入れる
※型の大きさからひとまわり小さめに入れる - プラリネを覆うようにチョコレートを流し入れる
- 固まったら型から取り出し完成
型はシリコン製を使うと外しやすいです。表面にデコレーションするのも素敵ですね。
転写シートを使えば、見た目もおしゃれなチョコレートになります。
転写シートは、こちらからどうぞ!ジャンドゥーヤのレシピ
ジャンドゥーヤの作り方は、ナッツをペーストにする工程まではプラリネと同じです。
材料(14個分)
- ヘーゼルナッツ 50g
- 製菓用チョコレート 150g
- 湯せん用のお湯 適量
- フードプロセッサー
- 流し込める型もしくはクッキングシートとバット
- 裏ごし器(なくても可)
ナッツはアーモンドなど他の種類でも代用できます。
使うナッツによって風味も変わるので、お気に入りを見つけてくださいね。
ナッツはペースト状にするため、フードプロセッサーが必要です。
ミキサーがなければ、ヘーゼルナッツペーストといった、すでにペースト状になった商品もあるので工程を減らせて便利ですよ。下準備
- 皮付きのヘーゼルナッツの場合は皮をむいておく
- 180度のオーブンで5分から10分ローストしておく(フライパンで炒めてもOK)
手順
- ローストしたヘーゼルナッツをフードプロセッサーにかけてペースト状にする
※しばらくするとヘーゼルナッツから油分が出てきてペースト状になるので根気よく!
※途中でまわりについたペーストを落としながら行うときれいに仕上がります - ペーストを裏ごしする(省いても可/裏ごしするとなめらかな食感になる)
- チョコレートを約50~60℃のお湯で湯せんして溶かす
- 湯せんしたチョコレートとペーストを混ぜ合わせて型に流し込む
- 冷蔵庫で冷やし固めて完成
ヘーゼルナッツをペーストにする作業が大変ですが、材料もレシピもシンプルなので材料さえ揃えれば作りやすいです。
ナッツの食感を残したい場合、ナッツを少し取り分けて砕き、ペーストしたものに混ぜてみるのもいいですよ。
特別な日に作るのはもちろん、いつものコーヒータイムのお供にもいいですね。
まとめ
- ガナッシュとプラリネの違いは材料と作り方の2つがある
- チョコレートに生クリームを加えたものがガナッシュ
- プラリネはキャラメリゼしたナッツをすりつぶしたもの
- ガナッシュはチョコレートを使うがプラリネには使わない
- トリュフは高級食材のトリュフに由来している
- ボンボンは一口サイズのチョコレートの総称
- ジャンドゥーヤはヘーゼルナッツをつぶしてチョコレートを加えたもの
ガナッシュとプラリネふたつの違いから、さまざまな種類について解説しました。
チョコレートを選ぶとき、違いが分かっているとイメージがしやすくなりそうですね。
自分用やプレゼントのチョコレート選びも、より楽しくなりそうです。
違いを比べて好みのチョコレートが見つかりますように♪